おうちでアート~作品と手順を紹介~

ストーンアート 石というキャンバスの魅力

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ストーンアートの制作手順を紹介 バリ島の石を取り寄せて空想の人物を描く

ストーンアートにぴったりの石を発見

ネットでストーンアート用の石を探していたら、海外の石が目に留まった。

バリ島の綺麗な石。お皿に入れてインテリアに、ストーンアートにもどうぞとのことだったので、即購入した。大きさ、色もいくつかある。

ストーンアート第5回。

 

石を3点並べて撮影した写真

購入した石

こんな白くて丸くて平たい石は、この辺りでは見かけない。石というキャンバスのイメージにピッタリではないか。また、自然石なので形が一つひとつ違うところがいい。

大きさと色を変えて3袋取り寄せた。大き目の石の3個入り、青い石の10個入り、小さい石の15個入り。宅急便で届いた。

宅急便の段ボールに入った石を撮影した写真

石が届いたときの様子

制作

何を描こうか考える

丸くてきれいな石は、アイディアにつながるような特徴的な凹凸が少ない。だからすぐにはモチーフを思いつかない。

眺めていると、1つの石にひびのような線が見えた。

ライオンか、人間の横顔のような線……だろうか。

線上にへこんだ部分がある白い石を撮影した写真

人間かライオンか? 私には、横顔が見える

せっかくバリの石を使うので、それに合ったモチーフを描きたい。

ゴーギャンの「タヒチの女たち」ならぬ、バリの少女というイメージが湧いてきた。もしくは、バリを観光で訪れた女の人でもいいかな。

ちょっと困ったのは、石の凹凸に沿って女の人を描くとしたら、口元が何かを叫んでいるような開き方になるところ。いやいや歌っているのかもしれない、と想像をふくらませる。

やっぱりライオンを描こうかなあとも悩んだが、今回は動物シリーズ以外の作品にしたかったので、モチーフは人物を選んだ。

それでは、制作手順を紹介します。

制作手順

1、石をたわしで水洗いする

購入した石を袋から取り出したら、サラサラした細かな砂がついていた。

たわしを使ってていねいに洗い、しっかり乾かした。

2、下描き

下描きとして、初めに横顔のアウトラインを描く。続いて、大まかに髪型も。

人の横顔のように見える石のへこみの部分に色を付けて撮影した写真
人の横顔のように見える石に髪の線を描いて撮影した写真
下描き
3、横顔を着色
人の横顔に見える石に肌の色を塗って撮影した写真
人の横顔に見える石に髪の陰影を塗り重ねて撮影した写真
着色

肌と髪の色を重ね塗りして、影をつける。

人の顔に見える石に着色を重ねて撮影した写真

重ね塗り

目の青い色や、唇と頬の赤みを加える。そして、顔の周りにも影を描き込む。

4、ここで、デザインを変更

これで完成と思ったが、何かしっくりこない。

髪の毛のデザインと人物の表情の描き方に、悩んでしまった。

髪がふんわり舞っているように描こうと思ったのだが、風が強くて嵐の中にいるようにも見える。また、歌っているような表情を意識したものの、やはり何か強い口調で叫んだり訴えたりしているように見えるかもしれない・・・。

さらに、少女の頬にもっと紅を差そうとして筆を動かしていたら、頬の部分の絵の具がペロンとずれて落ちた。

ツルツルした石の上に厚塗りは要注意だ。絵の具が剥げて、まるでほっぺに穴があいたようになってしまった・・・。絵の具が完全に乾くまで、重ね塗りを繰り返したり、触ったりしてはいけない。

絵の具が乾いてから、修正を開始。気になっていた髪の部分に、花を描き加えた。

背景として、海と遠くに見える島を描き足した。

人の顔を描いた石に花の髪飾りと海の背景を描き足して撮影した写真

髪型を変更

これで完成と思ったけれど、なぜか日本の海に見えてきてイメージ通りにならない。

タイトルをつけるなら、日本の海で女が叫ぶ、かな・・・?難しい。

鼻と唇の形が思うようにいかない。やっぱりライオンをモチーフにすればよかったか。などと苦悩しながら塗り重ねる。そろそろ着色を終わりたい。

背景に海を描くのをやめたら、少し落ち着いたので、着色は終わりとする。

人の顔を描いた石に空の背景を描いて撮影した写真

バリの少女 背景を変更して完成
5、ニスを塗る

ニスを塗ったら、もう絵の具を塗り重ねられないので、これで本当に完成。

つやが出て、まあいいかなと思える。

感想

白くてすべすべしている石を使ったら、下絵が描きやすかった。思い出の風景や、写実的な絵を描くのにもってこいだ。

今回は空想の人物がモチーフというチャレンジをした。人物の顔を描ける範囲が狭くて難しかったが、アクリル絵の具を使えば何度も描き直せるのは、良い点だ。

ただ今回の作品のように、よく乾いてから絵の具を塗り重ねるためには、時間を要する。余裕をもって制作に取りかかる必要があるが、制作に数日かけられるなら問題はないだろう。

ストーンアートのために購入した石はまだ残っている。個人的には、研究の余地あり。