はじめに
写真の構図を考えるときに大切なのは、アングル(角度)とポジション(位置)とズーム(距離)を調整すること。それによって画面の中に写る被写体の形や大きさ、場所などは変わる。
それでは、どんな構図の写真が美しいのだろう。
たとえば名作の絵画は、計算し尽くされた構成が美しい。
カメラでも、アングルとポジションとズームを考えながら、すてきな構図の写真を撮りたいものです。
自分が表現したいテーマの魅力を伝えるために、構図を考えてみました。
魅力を表現する構図を考えよう!
アングル・ポジション・ズームを変えて写真を撮ってみた。構図の違う写真になる。
テーマ「秋の豊かな実り」
みかんの木を撮る
みかんがたくさん実っている。すごい数なのでびっくり。いいなあ。青い空に黄色いみかんが美しい。
その驚きと美しさを表現したい。
ポジションは目の高さ・アングルは真っ直ぐ
スマホは目の高さにして、傾けないように真っ直ぐに撮る。
・ポジション(位置)・・・目の高さ
・アングル(角度)・・・真っ直ぐ
こうすることで、遠くまでたくさんの実りが見える。
ズームの代わりに近づいて
2、3歩歩いて近寄り、被写体をアップにする。
アングルを上向きに
木に近づいたまま、スマホを上向きの角度で撮る。
・アングル(角度)・・・上向き
場所を移動して
撮影する主役を作り、移動して撮る。
今回は、スマホに近い位置に実があり、主役ができた。
・アングル(角度)・・・上向き
青い空との色合いが生命の喜びを感じさせる。
どのような場所に実が成っているのか分かるような情報は、あった方がいい場合もあるが、カットしていいと思う場合もある。
こちらの写真は、ポジションをハイ(高く)、アングルもハイ(上向き)にして周りをカットした。
現在、スマホで写真を撮っている私には、ズームしたときの画質が落ちるのが難点。
近づける場所ならば距離を縮めるようにしている。
テーマ 「空に浮かんだ面白い形のクジラ雲」
面白い雲の形を見つけて撮る
クジラの形の雲を発見。青い空をゆっくり泳いでいく。秋の空は高く広い。いい天気が気持ちいい。
スマホのズーム
雲には近づけないのでスマホのズーム機能を使う。
大きさを比較できるように、建物を入れる。
トリミングした写真 雲だけにする
スマホのトリミング機能で、周りはカットしクジラだけを残してみた。形を重視した表現。
スマホで被写体を大きく写すとき、周りをトリミングして大きくしても、ズーム機能を使っても、画質はあまり変わらない。
遠くのものは、空間に余裕をもって撮影すると好きなところでトリミングできる。
スマホのトリミング 建物を入れる
カットしすぎると大きさも場所も分からなくなる。被写体の大きさを表すために、建物を入れてトリミングした。
上の1枚目のクジラの写真はスマホのズームを使った。
こっちは、後でトリミングしたもの。1枚目と画質はほぼ同じ。
トリミングした写真は、好きなところでカットできるのがよいところ。
ところが、そのとき感じたゆっくりと青空を行く様子が分からなくなった。その場の感覚ではなくなっているのかも。
アングルは真っ直ぐ・ポジションは目の高さ
・アングル(角度)・・・真っ直ぐ
・ポジション(位置)・・・目の高さ
青い空が美しいが、他にも雲があるのでクジラの形が分かるかな。と、ちょっと心配だったが、この写真の方が一番気持ちにあっていると感じた。
改めてクジラの形そのものよりも、青い空が広がっている中に泳いでいるようだというのが、伝えたいことだと思いました。
テーマ「この歩道の先は知らない町」
長い一本道を撮る
真っ直ぐの歩道には誰もいない。不思議な感じを受ける。
この感覚を、画面を上下させて位置(ポジション)の違う写真で表現してみた。
ポジションは目の高さ
・ポジション(位置)・・・目の高さ
・アングル(角度)・・・真っ直ぐ
アングルを下向きに
・ポジション(位置)・・・変更なし
・アングル(角度)・・・下向き
道が長く延びている。主役は道になった。
アングルを上向きにして
今度は、上向きにして撮影。
・アングル(角度)・・・上向き
道よりも青い空が映えて、お散歩日和なのが強調される。
道が主役なので、二番目のアングルが良いと思いました。
テーマ「秋まっただ中」
イチョウの木を撮る
ポジションは目の高さ・アングルは真っ直ぐ
・ポジション(位置)・・・目の高さ
・アングル(角度)・・・真っ直ぐ
イチョウの木を客観的に撮っている。黄色くなってきたのが分かる。
アングルを下げて
少し移動して、地面が入るように撮影。
・アングル(角度)・・・下向き
落ち葉が敷き詰められた様子に、秋まっただ中だと感じられる。
まとめ
スマホで撮影するのは、普段の生活の中での突然の発見に便利だ。持ち歩いていればすぐに撮影できる。カメラより軽くて気楽だ。画質だってなかなか大した物だ。
かなりの枚数が撮れるので、いろいろ試すことが出来る。
アングル、ポジション、ズームの3つを意識して撮影し、鑑賞してみた。ちょっとした動きで画面は随分変わる。
ポイントは自分の言いたいことが伝わるかどうか。
また、それ以上に、まずは対象に具体的な感想をもつことが大切だと思います。それがあれば、なんとかなりそうです。
感想
今まであまり意識していなかったが、撮影した写真を改めて見てみたら、アングル、ポジションをいろいろ変えて撮っていた。大抵は散歩中で、ワンコが一緒なので、引っ張られながら撮る。じっくり構えるのが困難なため、大急ぎで角度を変えて数枚撮っている。
一眼レフカメラで撮っていたときは、特にズームを楽しんでいたが、スマホでは後でトリミングすることも利用している。
しかし、カメラをまた使いたくなってきた。それに、ゆっくり旅行して新しい風景に出会いたい。