はじめに
料理には感動や思い出がある。旅行先で食べたもの、お祝いのごちそう。
自分で作った料理にも思い入れがある。
食には驚きや喜びがあって、表現するのに良い素材。描くことでその気持ちを表したい。
水彩画の作品と、描き方のコツを紹介。手作り料理のスケッチです。
水彩画「トマトソースのポークソテー」
本日の作品は、こちらの手作り料理のスケッチです。
手作りのトマトソースが大好きなので描きました。
ソースは生の甘い完熟トマトを使って、ザクザクの玉ねぎやマッシュルームをたっぷり入れて軽く煮込んだもの。フレッシュな甘酸っぱさが口に広がり、ジューシーな肉と合う。
家族で食べたとき、みんなが口々に美味しいと言ってくれた嬉しさ。やがてうちの定番ソースになるというささやかな幸せ。
その一品をスケッチしました。
さて、今回は途中経過の写真を撮っておいたので、制作手順を載せてみました。
手順
皿の楕円を描く
楕円は長方形に中心線を引き、長方形と線が交わる4点を通るように描く。斜め上から見た絵にするためには、手前の方をやや長めにとるのがポイント。
円を描いたら、皿の縁の形を描いていく。今回は、縁が少し波打っている形の皿を使用した。


下描き
皿の縁の模様と、おおよその料理の形を下描きする。


中の具材とソースの形を描き込む。
着色
絵の具を出す
パレットの小さいスペースに、水彩絵の具を出す。
私はいつも白・黒以外の全色を出すようにしている。12色セットなら10色。少なくとも、三原色の赤・青・黄は必ず出す。
色を作る
パレットの大きいスペースに複数の絵の具を混ぜて、固有色を作る。
固有色とは、対象物がもつ本来の色のこと。光の当たった明るいところの色と考えれば良いだろう。
着色
作った色に水を多めに混ぜ、淡くして塗る。
着色する際のポイントは、対象物の一番光っているところは塗らないようにしておくこと。一番明るい部分には、画用紙の白色を使用するためだ。
調子を強める~影のつけ方~
固有色を塗り終えたら、調子を強める。
影を描き加えていこう。色を何度か塗り重ねて、影の部分が暗くなるようにする。
影は周りの色を反射しているので、周りにある色を混ぜながら塗る。
【注意点】
紙が乾いてから塗り重ねることが大切。画用紙がごわごわしたり破れたりする場合があるので、必ず乾かそう。一か所に集中せずいろいろな場所に移りながら塗るのがコツだ。
仕上げ
最後に、焦げ目の部分や、コショウを描き加えて仕上げる。
火加減と焼き時間に気を付けて、こんがりした焼き目ができたポークソテー。その美味しさを絵で伝えたい。