はじめに
自然の石を観察すると、どれ一つ同じ形のものはない。また、全く同じ色のものもない。
さまざまな色からモチーフ(素材)が思い浮かぶこともある。
頭に浮かんだイメージを、どう作品にしていこう?
考えながら描いた手順を紹介します。
ストーンアート第9回。
今回は石の色に注目してみました。
石の色を活かして表現する「昆虫」
石の色を活かしながら作品を作るためには、意図的に色を塗らない部分を残して表現することになる。
では、塗らない部分はどこにするのかを考えることが必要だ。
石の本来の色を活かして、自分のデザインを表現してみよう。
制作手順
1.石の色からモチーフを発想する
選んだのは、黒っぽくてつやのある石だ。さわるとすべすべしている。平らで薄く、凹凸はほぼない。
小さいこともあって、黒い色から「蟻」が頭に浮かんだ。
石に、写実的な蟻を描きたい。
2.資料を探す
蟻の資料はたくさんある。外に行けばたくさん歩き回っている。ただ、じっとしていてくれないので、ネットで蟻の写真を探す。
アップの写真をたくさん見ることができた。いろいろな色や形の蟻がいる。
その中でも、自分の蟻のイメージに近いものを選んだ。
3.下描き
今回は蟻の中に、石の美しい黒色を残したい。
そのため、蟻の体に線が被らないよう大きめに下絵を描く。
4.着色:背景を塗る
スケッチしたアウトラインの外側を白く塗って、蟻を浮き出させる。
5.着色:蟻の体を塗る
石本来の色は、一番暗い影のところの色として残した。
蟻の体に明るい色を塗り、境目をぼかして立体感を出す(グラデーションの技法)。
最後にハイライト(最も明るい色)を入れて。
※グラデーションの技法について、詳しくはこちらをご覧ください。
6.ニス
つやのある蟻の光沢が出せると思い、ニスを塗った。これで完成。
同じ手順で蟻を増やす
もう1つ似ている色の石があった。こちらもおそろいの蟻を描きたくなった。
今度は石いっぱいに大きく描くため、資料の蟻をくねらせて収めた。違う種類の蟻だ。1つめでしっかりと観察して形などを理解したので、続けて描くと時短で出来上がる。手順も同じ。


2匹のナナホシテントウ
後に、色の似ている石がいくつかあったので、違う虫を描きたくなった。
ナナホシテントウの星の色が黒だな、と思いつく。
石の色を、テントウムシの羽の模様と頭として活かしたい。
テントウムシの赤い羽の色を着色。
2つの石に同時に描いたので、色が似ている。片方は石の出っ張りがあったので、より立体的に表現することができた。
黒い石に赤い羽根が美しい。ニスは塗らないでおきたくなった。光と影を入れて完成。
まとめ
自然の色からもイメージは湧く。自然の黒は人工の黒とは違って見える。
なんて複雑な色味をもっているのだろう。
生物も自然の色をもっている。
ストーンアートは石のさまざまな形からモチーフを発想するものと思っていた。
しかし、色から発想しても、石の厚みや重さがあって作品が面白くなることに気が付いた。これもストーンアートの魅力ではないか。
描きたいと思った石に、なんでも描いていきたいな。石のキャンバスは自由だ。
感想 昆虫の美しさを描きたい
蟻のうっすら見える模様や、つやを描く。立体感をつけるのが中々難しい。また、石が小さいのできれいに塗りづらい。作品の写真を拡大して見ると気になるところもある。それでも近づけようと塗っていくと、何とかなるものだ。蟻の作品の白と黒の対比が気に入っている。
小さい作品は、手に持って眺めるくらいがちょうど良い。石の重みと冷たいすべすべ感が気持ちいい。
改めて昆虫は何と美しいのかと思う。虫の写真集を眺めるのも好きなんです。