ストーンアート 何を描こう? ~モチーフ(素材)を考える~
はじめに
ストーンアートとは、自然物である石を使った作品のこと。
今回は、ストーンアートを制作するにあたって、モチーフ(素材)を決めるための考え方を紹介します。
ストーンアートに挑戦、第2回。
モチーフ(素材)を決めるための考え方
作品のモチーフは、自然物である石の形そのものから発想することが出来る。
石にはいろいろな形、色がある。たとえば、
- 丸みがあってすべすべしていたのが気持ちいい!
- ごつごつしていて、色々な色があって珍しい!
このような感想をもつことができたら、その石に興味が湧いてくる。
そして、よく観察しているうちに、
- あれ、ここに小さな穴が2つある!
- 急に膨らんだような形になっている!
こうした、それぞれの石がもつ特徴に気がつくだろう。
その特徴から想像をふくらませると、穴が動物の目に見えたり、膨らみが頭の輪郭に見えたりすることがある。
これが、自然物である石の形そのものから発想して、モチーフを何にするか決めるということだ。
今回は石の形を見て、羊やラッコというモチーフが頭に浮かんできた。
モチーフ(素材)にはどんなものがあるか
動物にも哺乳類、爬虫類、鳥類、魚類…など色々あるし、植物もいいだろう。いや、人工物にも、乗り物やファッション関係…、愛らしい物はたくさんある。まず好きなものを選ぶのがいいのではないかな。
モチーフ(素材)の探し方
モチーフを選ぶにはいろいろ想像してみなくてはならないが、この石は魚みたいとか、犬っぽい、という感想でもよい。
そういった魚や犬を調べるといろいろな種類のものが見つかる。その中で自分のイメージに合うものを決めていくとよい。
今はネットがあって写真も調べやすい。「羊 横顔」や「魚 裏から見たところ」でも、検索できる。ピッタリくるかどうかはわからないが、資料はたくさんある。
とはいえ、私が子供のころは分厚くて重い図鑑をよく眺めていたなあ。今のようなテレビゲームもなかったし、時間がいっぱいあったから。
でも、もしかしたらそれも今まで全く知らない多くのモチーフに出会えるきっかけだったかも。本も大事にしたい。
作品紹介
羊
さて、今日はまず、羊さんを紹介。
丸い石だったが、すでに目の形とうっすら角の形があった。その位置はちょっと違うかもしれないが、石の凹凸に合わせた。
ふわふわだけど、アンニュイな目がちょっと怖い。
手に持って撮影。
両面を撮影。羊さんは、裏にはいない。
らっこ
腕に何かを持っている。よく見ると2枚貝ではないか。それは、らっこだ!頭がとんがっていて耳もない。らっこの頭にするにはちょっと苦しいかと思ったが、塗っているうちに、ゆがんだ顔もキュートに見えてきた。
手に持って撮影。
裏が膨らんでいるので、ころりと転がる。
猫
猫が見つかる。小さいけど確かに耳があった。石に頭をのせているようだ。でも、何か狸にも似ている。
たぬき猫は、赤ちゃんのおくるみに、くるまれているようにも見える。小っちゃくて、塗るのが難しかった。
感想
石は、小さくても大きくてもいい。
小さすぎて塗りにくかったとしても、たまたまそこにモチーフ(たとえば今回のたぬき猫)が見えたら、がんばって塗る。
体全部を描けるような石はなかなかない。
じゃあ、一部分だけでもいいじゃないか。
裏にはいない。なら、表だけでも。
元の石の色も美しいので、残しておきたいし…。
毎回、試行錯誤。
楽しいね。
まとめ
ストーンアートは、こうしなければならないという描き方が特になく、自由度が高いところがいい点だと思う。
面白いと思った形の石であれば、何かモチーフを当てはめて塗るのも良い。平たい石であれば、紙同様に好きな物を描いても良い。それでも、石の作品は画用紙とは違う味わいを見せてくれる。また、形からだけでは無く、色に着目しても良いのだと思う。
ストーンアートは、作る人がいかようにも表現できる美術のようだ。
地球が長年かけて作り上げた造形に、美しさ、面白さを感じる心があればいいのではないだろうか。
一生懸命に塗れば、とっても愛着が湧いてくる。
子供たちにも、ぜひやってみてほしいアートだ。